Chapter 1. 始める前に

初めて何かを始める方はどなたも同じですが、Red Hat Linux システムの操作を学ぶときも一方でワクワクすると同時に少し不安も感じることでしょう。最初の一歩はログインです。ログインすればあなたは基本的にシステムに「自己紹介した」ことになります。

Linux は大文字/小文字を区別します: UNIX と同様 Linux では大文字/小文字を区別します。つまり root と入力すれば、Root とは異なるアカウントを指すことになる、ということです。Linux では小文字の rootroot ログイン、すなわちシステム管理者を表す名前です。

Red Hat Linux をインストールした時を思い出してください。X Window System (単に X とも言います) をインストールする箇所があったでしょう。X はグラフィカルな作業環境です。また、ログインするときにコンソールではなくグラフィック画面を使用したいかどうかも尋ねられたはずです。本書では X を使用しての操作や機能を中心としますが、ログインおよび X Window System の起動については、グラフィカルな方法とコンソールによる方法の両方を説明します。

どうぞログインしてください

他の一部のオペレーティングシステムと異なり、Red Hat Linux システムでは権限管理、セキュリティの保守その他を行うためにアカウントを使用しています。アカウントはすべてが同等な条件で作成されるわけではありません。あるアカウントは他のアカウントよりアクセス可能なファイルやサービスの数が少ないことがあります。

すでにユーザアカウントを作成している場合は、「Chapter 2」までスキップしてもかまいません。まだ root アカウントしか作成していない場合は、このまま続けてユーザアカウントの設定方法をお読みください。

root だけでの使用はご遠慮ください: Red Hat Linux システムのインストール時には 1 つのアカウント (root アカウント) が作成されるため、初心者の中にはすべての作業をこのアカウントだけで済ませようという気になる人がいます。これは好ましくありません。root アカウントはシステムに対するすべての作業が許されているので、誤ってデリケートなシステムファイルを削除したり変更してシステムの損傷を招くことが容易に起こり得ます。インストール時、または後でユーザアカウントをついつい作らなかったり、使わなかったりしがちなこともあるでしょうが、これは危険なことです。

ユーザアカウントの作成

Red Hat Linux のインストール時に、root パスワード (root アカウント、すなわちシステム管理者用のパスワード) を作成するように求められます。その時に、追加でユーザアカウントを作成することもできました。このユーザアカウントを使用すれば、root アカウントですべての操作を行う場合とは異なり、システムを傷つける心配なしにほとんどの作業を行うことができます。

インストール時にユーザアカウントを作成していない場合は、ユーザアカウントの作成が最初の作業となります。以下にその手順を示します。

  • コンソールまたはグラフィック画面からログインします。

  • デスクトップで端末エミュレーションウィンドウ (Xterm ウィンドウまたは Xterm とも言います) を開きます。

  • 新規のユーザアカウントを作成します。

  • ログアウトし、作成した新規のアカウントにログインします。

root としてのログイン

ログイン用の画面として、グラフィック画面とコンソール画面のどちらを選択した場合でも、ログインアカウント名とそのアカウントに関連付けられたパスワードを入力する必要があります。

たとえば、コンソール画面では以下のように表示されます。

Red Hat Linux release 7.0
Kernel 2.xx on an i686
localhost login:[root]
Password:[root のパスワード]

ネットワーク設定などでマシンに名前を付ける選択をしていない限り、マシンは通常 localhost と呼ばれます。

アカウントにログインするには、login: プロンプトに対して [root] と入力し、password: プロンプトに対して Red Hat Linux のインストール時に設定した root パスワードを入力します。

Figure 1-1. グラフィカルログイン画面

Figure 1-1」のようなグラフィカルログイン画面を使用している場合、ボックスに [root] と入力し、[Enter] を押してからさらに root アカウント用に設定したパスワードを入力します。

まだコンソール画面 (グラフィカルデスクトップではなく) が表示されている場合は、以下のように startx と入力することにより、X Window System を起動できます。

[root@localhost /root]#startx

ログイン画面を変更するには: コンソールからグラフィカルログイン画面に変更する方法については、「the section called スタートアップ時にログインをコンソールから X に変更する in Chapter 17」を参照してください。

X Window System が起動したら、GNOME では「Figure 1-2」または KDE では「Figure 1-3」のようなデスクトップが表示されます。

Figure 1-2. GNOME デスクトップ

Figure 1-3. KDE デスクトップ

Xterm の起動

GNOME と KDE のどちらでも、パネル上に Xterm ウィンドウを素早く開くためのボタンがあります。

Figure 1-4. GNOME パネル

GNOME パネル

GNOME メニューの [Utilities] の下に Xterms のランチャがあります。Xterms を開く項目には、[GNOME terminal][Regular XTerm]、および [Color XTerm] などがあります。

Figure 1-5. KDE パネル

GNOME と類似した KDE パネル

また、KDE メインメニューを [Utilities] - [Konsole] と選択するとランチャがあります。

ここで、[Xterm] ボタンをクリックしてウィンドウを開きます。ウィンドウ内にシェルプロンプトが以下のように表示されます。

[root@localhost /root]#

[useradd]、空白を一つ、続いて新規のユーザアカウント名 (例: newuser) を入力します。

何も起こらないように見えますが、これで新規アカウント作成の 1 ステップが完了したことになります。残っている作業はこのアカウントにパスワードを設定することだけです。

アカウント名の選択: ユーザアカウントは、John Smith なら jsmith とするなど、ユーザ自身の名前を元にしたものがよく見られます。しかし、musicmanElivsisKing など好きな名前を付けることができます。

さて、次の行には passwd、空白を一つ、続けてパスワードを作成する新規のアカウント名を入力します (例: [passwd newuser])。

安全なパスワードとは?: ユーザアカウント名を選ぶときは、凝った名前でも単純なものでもかまいませんが、パスワードの選択には十分注意が必要です。パスワードはアカウントの鍵となるものですから、他と重複せず、かつ覚えやすいものでなければなりません。パスワードは 6 文字以上です (インストール時に MD5 パスワードを有効化すれば最大 256 文字のパスワードまで設定可能です。もっともそこまで長いパスワードは不要でしょうが)。大文字と小文字を混ぜたり、数字と文字を混ぜたりすることができます。qwerty (キーボードの左手上のキー配列) や password などの安易な設定は避けてください。覚えやすく、かつ他と重複しないパスワードにするには、airplanea!rPl8nE にするなどして単語の構成を変化させてみてください。パスワードに関する詳細は、「Chapter 14」を参照してください。

次に、新規ユーザアカウントのパスワードを入力するように求められます。プロンプトに New UNIX password と表示されます。覚えやすく安全なパスワードを入力してください。

確認のためもう一度パスワードを入力します。passwd: all authentication tokens updated successfully というメッセージが表示され、これで新規のアカウントが正常に作成されたことになります。

Figure 1-6. Xterm でユーザを追加する

Figure 1-6」では、Xterm ウィンドウとそのコマンドおよびプロンプトの例を参照できます。

Xterm を終了する場合は、ウィンドウの右上にある[X] ボタンをクリックするか、プロンプトで [exit] と入力します。

root からのログアウト

さあ、root アカウントからログアウトしてユーザアカウントにログインしましょう。

GNOME からログアウトするには、パネルの [メインメニューボタン] を 1 度クリックし、マウスカーソルを [Log out] とマークされた最初の項目までドラッグします (「Figure 1-7」参照)。

Figure 1-7. [Log out] の選択

確認ダイアログが表示されたら (「Figure 1-8」参照)、[Logout] オプションを選択し [Yes] ボタンをクリックします。パネルや稼動しているプログラムの設定を保存したい場合は、[Save current setup] オプションをチェックします。

Figure 1-8. ログアウトの確認

同様に KDE でもパネルメニューボタンからログアウトできます (「Figure 1-9」参照)。

デフォルトでは、KDE のパネルにはログアウト用のクイック起動ボタンもあります。このボタンはパネルの中央部、タスクバーの近くにあります。

Figure 1-9. KDE の [Logout] エントリ

選択したログイン方式に応じて、グラフィカルログイン画面またはシェルプロンプトに戻ります。

グラフィカルでないコンソールプロンプトに戻った場合は、そのままプロンプトで以下のように [exit] と入力します。

[root@localhost /root]#
exit

別の終了方法: シェルプロンプトでは [exit] と入力するか、または [Ctrl]-[D] というキーの組み合わせで終了できます。

これで、root でログインした時と同様にして、ユーザアカウントにログインできます。