Red Hat Enterprise Linux v.4 の機能と特徴
Red Hat Enterprise Linux v.4では、v.3リリースから様々な技術的強化がなされています。
特に開発が行なわれた分野のなかにはセキュリティ機能の改良などがあり、前バージョンとの高い互換性を維持しながら、サーバのパフォーマンスやスケーラビリティを向上させています。Red Hat Enterprise Linuxは、ハードウェアとソフトウェアに幅広く対応する最新の企業向けLinux環境となります。
Linux 2.6 カーネル
Red Hat Enterprise Linux v.4ではLinuxの2.6.9カーネルを基に強力で安定した製品を提供しています。
2004年、FedoraなどのオープンソースプロジェクトはLinux 2.6カーネルの開発に向けての環境を提供してきました。この結果、Red Hat Enterprise Linux v.4カーネルでは機能やアルゴリズムの強化など旧カーネルに対して数多くの改善がなされています。
- 汎用論理CPUスケジューラ: マルチコア及びハイパースレッドCPUの処理
- オブジェクトベースのリバースメモリVM: メモリが限定されたシステムにおけるパフォーマンスの向上
- リード コピー アップデート(Read Copy Update): オペレーティングシステムのデータストラクチャに対するSMPアルゴリズムの最適化
- マルチプルI/Oスケジューラ: アプリケーション環境に応じて選択が可能な拡張SMP & NUMAサポート: 大規模サーバのパフォーマンス及びスケーラビリティの向上
- ネットワーク割り込み緩和(NAPI): ネットワークの高負荷に対してパフォーマンスの向上
ストレージ機能及びファイルシステム機能の向上
Red Hat Enterprise Linux v.4では、データストレージサブシステムのスケーラビリティやパフォーマンスの向上など数多くの改良が統合されています。
- Ext3の処理能力: Block Reservation及びHash Tree Directoryにより読込み/書込みI/Oやディレクトリスキャン動作が向上します。
- Ext3のスケーラビリティ: 動的なファイルシステムの拡張や8TBまでのファイルシステムサイズをサポートするようになります。
- 論理ボリューム管理 (Logical Volume Management): LVMへの広範囲に渡る更新により柔軟性のある新しい管理GUIに加えて、読み込み/書き込みのスナップショット、処理メタデータの更新など新しい機能が備わりました。ミラーリング及び拡張マルチパス機能は2005年中旬までには配布される予定です。
- スケーラビリティ: 拡張ストレージLUN管理により大規模なストレージサブシステムの構成が可能になります。
- 自動マウント機能: AutoFSv4の導入によりブラウズ可能なマウントや複製サーバなどの機能に対応する高度なデバイスアクセス制御が備わりました。
- コスト軽減: シリアルATAディスクストレージのサポートによりパフォーマンスや記録密度が向上され、従来のIDEデバイスと比べメガバイト単位のコスト削減を実現します。
新しいセキュリティ機能
Red Hat Enterprise Linux v.4では、特に高度なセキュリティ機能に重点が置かれ開発されました。
- Mandatory Access Control (強制アクセス制御): Security Enhanced Linux (SELinux)では標準のLinux環境で提供されている既存のDiscretionary Access Control (任意アクセス制御) 機能を補完するMACインフラストラクチャを提供しています。MACベースの環境では、アプリケーションの機能や特権があらかじめ定義されたポリシーで設定され、カーネルによって強制されます。これにより不規則なアプリケーションによるシステムのセキュリティ侵害を防止します。
- メモリ管理の強化: Exec ShieldとPosition Independent Executableなどの機能が結合してバッファフローなどの攻撃によりアプリケーションが悪用されるのを防止します。
- コンパイルとランタイムの整合性チェック: GCCコンパイラ及びGlibcライブラリの新しいバッファ検証技術により欠陥のあるアプリケーションが侵害される危険性を大幅に削減します。
デスクトップ性能の向上
Red Hat Enterprise Linuxファミリー (Red Hat Desktopを含む) すべての製品ラインアップに豊富な機能で使いやすいデスクトップ環境を備えることに重点を置いてきました。新機能の概要は次の通りです。
- ユーザーの生産性: 高度なユーザー機能がOpenOffice.orgオフィスツール、Firefoxウェブブラウザ、Evolution電子メールクライアンなどから提供されています。
- プラグアンドプレイデバイスのサポート: USBディスクやデジタルカメラなどのデバイスが扱いやすくなりました (他に、gThumbなどのフォト管理アプリケーションなども有り)。
- マルチメディア: RhythmBox、HelixPlayer、Totem、SoundJuicerなどオーディオ、ビデオ、コンテンツのストリーミング用アプリケーションが備わりました。
- ユーザー環境: GNOME 2.8ではグラフィカルなルックアンドフィールに一貫性を持たせた数多くの機能強化が加えられています。総合管理ツール (プリンタとネットワーク管理やVNCベースのアプリケーションセッションの共有など) とユーティリティ(Gaimインスタントメッセージ機能、GIMPイメージ処理機能など) とで完成度の高い機能的な環境をユーザーに提供します。
- 相互運用性: Microsoft Active directoryでのユーザーログイン認証、ウェブベースのアプリケーション用NTLM認証、Windows Exchange ServerへのEvolution メールクライアントのアクセスを実現する技術が備わりました。
- IIIMF: Internet/Intranet Input Methodフレームワークでは次世代に向けたマルチリンガルなユニコード入力メソッドのフレームワークを提供します。完全なユニコードサポートや複数並行言語エンジンの実行機能など数多くの機能を提供しています。
その他の機能
主要な新リリースとして、Red Hat Enterprise Linuxのあらゆる部分で改良が行なわれています。重要となる改良点についていくつかあげておきます。
- 旧リリースとの互換性: Red Hat Enterprise Linux v.4には互換性ライブラリが含まれおり、v.3及びv2.1のほとんどのアプリケーションが修正なしで継続して実行できます。
- 言語: OpenI18N及びGB18030などの国際標準に焦点を置き、Red Hat Enterprise Linuxでは、英語、日本語、ドイツ語、ブラジル系ポルトガル語、韓国語、イタリア語、中国語(繁体)、中国語(簡体)、スペイン語、ベンガル語、ヒンディー語、パンジャブ語、タミル語、グジャラート語の15言語によるドキュメントとソフトウェアを提供しています。
- 監査機能: 2005年中旬に予定される更新では、アプリケーションの監査に使用できるオープンで双方向性のあるソケットインターフェースを提供する新しい監査機能が利用できるようになる予定です。これにより、SELinux及び標準のLinuxイベントに対して総合的な監査機能を提供します。
- ファイル処理: SambaによりMicrosoft Windows のプリンタやファイル共有へのアクセスを容易にしている一方、NFSv4の装備によりセキュリティの向上、動作合体機能、ファイルロック機能の統合などを実現します。
- ソフトウェア開発: 最新のGCC3.4コンパイラツールチェーンと来るGCC4.0ツールチェーンのテクノロジープレビューを提供しています。これにより、標準対応C/C++及びFortran 95開発環境を実現します。
- 高度な設定と電源管理インターフェース: ACPIS規格の対応により、広範囲の電源管理機能 (バッテリーの監視、自動電源オフ、スタンバイ) が可能となり、今後ますます増え続ける高度な機能の基礎を提供しています。
- エクストラ: Red Hat Enterprise Linux Extras CD及びRed Hat Network チャンネルではオプションのソフトウェアを提供しています。これには追加デスクトップアプリケーション (Adobe Reader、Macromedia Flashなど)、Java環境、高品質のAgfa/Monotypeフォントなどが含まれます。