第 8章ドキュメント(文書)の作業

Red Hat Linux には、ユーザーの全てのドキュメントを管理する為に数種の ツールが含まれています。ビジネス用や学校用のプレゼンテーション、 正式な手紙文の作成、あるいはEメール添付のドキュメントを開いたり するなどRed Hat Linuxはユーザーのニーズに対応したツールを用意しています。

OpenOffice.orgパック

生産性パックは、オフィス、学校、自宅での 時間節約とユーザー援助の為にデザインされたアプリケーションの集合です。 通常、生産性パックはグラフィカルでありワードプロセッサ、スプレッドシート、 及びプレゼンテーションユーティリティなどのアプリケーションが含まれています。 生産性パックを構成するアプリケーションは統合されています。 —これは、例えば、スプレッドシートで作成した内蔵タイプのチャートと 更にグラフィカルプレゼンテーションからのスライドを一緒にしたドキュメントを 書けるという意味です。 生産性パックを構成するソフトウェアの統合はプレゼンテーション、 講義、あるいは印刷された担保書類などでインパクトを与えるのに貢献します。

Red Hat Linux はOpenOffice.orgと呼ばれるビジネス生産性パックを 含んでおり、これは数種の補助し合うアプリケーションが1つの統合パッケージに 集束したものです。OpenOffice.orgを使用すると ドキュメントやプレゼンテーションの複雑なタグやコードフォーマットを学ぶよりも簡単で 迅速に作業できます。ドキュメントのレイアウトや内容について完全なコントロールが でき、編集しながら結果を見ることができます。このリアルタイムドキュメント 形式の視覚的アプローチはwhat you see is what you get (見える物が使用できる物)(又は省略形でWYSIWYG)編集と 呼ばれます。

OpenOffice.org の機能

OpenOffice.orgパックは、ドキュメント、 スプレッドシート、ビジネスプレゼンテーション、アートワークなどの 作成と編集をするアプリケーションをいくつか含みます。基本的なプロフェッショナル ドキュメントとプレゼンテーションを素早く作成する為のテンプレート、書式、及び ウィザードがあります。 今まで、 .doc.xls ファイルで作業したり、受け取ったことがある場合、それが一般的にMicrosoft Officeの セットと関連していることが分かるでしょう。OpenOffice.org パックはMicrosoft Officeに関連した一般的なファイルも含めて数種の形式の ファイル読み込みと編集をすることが出来ます。表8-1OpenOffice.orgパックで使用できる多くの異なる タイプのファイルと達成できる作業を示しています。

表 8-1. OpenOffice.org の機能

アプリケーションファイルの互換性ドキュメントタイプ
OpenOffice.org Writer .sxw, .sdw, .doc, .rtf, .txt, .htm/.html 正式な通信文、ビジネス用文書、学校用レポート、履歴書、ニュースレター、 レポート
OpenOffice.org Calc .sxc, .dbf, .xls, .sdc, .slk, .csv, .htm/.html スプレッドシート、チャート、テーブル、グラフ、ディレクトリ 住所録、レシートと請求書、予算表、小規模のデータベース
OpenOffice.org Impress .sxi, .ppt, .sxd, .sdd ビジネスと学術プレゼンテーション、Webプレゼンテーション、 講義、スライドショウ
OpenOffice.org Draw .sxd, .sda; 及び、.jpg, .bmp, .gif, .pngを 含む数種のイメージ形式へのエキスポートファイル イラスト、線描画、クリックアート、組織のチャート

お判りのように、OpenOffice.orgパックは 数多くのファイル互換性機能を所有して、学術、ビジネス、又はホーム使用 で数種の作業を達成することが出来ます。以下のセクションでは OpenOffice.orgパックの使用法について説明します。

OpenOffice.org Writer

OpenOffice.orgを使用したドキュメント作成は ユーザーが以前に使用したことのある他のワードプロセッサーアプリケーションと 似ているはずです。ワードプロセッサーはテキストエディタのような物ですが、 複雑なフォーマットタグやコードを記憶する必要がなく、ドキュメントのフォーマット、 デザイン、印刷等をすることができる余分な機能をいくつか含んでいます。 OpenOffice.org Writerは、WYSIWYG 形式を特徴とする強力なワードプロセッサーです。— OpenOffice.org Writerウィンドウ内で見える物が、現実的にドキュメントとして 印刷したり、他の人にドキュメントファイルを渡したりした場合に、そのまま表示 されると言うことです。図8-1OpenOffice.org Writerの作業を示しています。

図 8-1. OpenOffice.org Writer

デスクトップパネルからOpenOffice.org Writerを スタートするには、メインメニュー => オフィス => OpenOffice.org Writerと選択します。シェルプロンプトからスタートする 場合は、oowriterとタイプします。

メインのインターフェイスは、ドキュメント編集のエリア(テキストを入力する ウィンドウ中央の白いスペース)です。ウィンドウの上部には各種の機能が集中した ツールバーがありそこにはフォント、文字サイズ、整列 (テキストを左側、中央、右側の端に揃えること)、及びテキストのフォーマット ボタンがあります。また、テキストボックスが用意されていてマシン上のドキュメント の位置をタイプすれば編集エリアにそのドキュメントが読み込まれます。さらに 開く、保存、印刷などのボタンとドキュメントを作成する為のボタンがあります。 (内容を追加する為に空白の新規ウィンドウを開きます)。

ウィンドウの左側には、スペルチェック、ミススペルの自動強調表示、 単語とフレーズの検索、及び他の便利な編集機能用のボタンが揃っています。 そこにあるツールバーボタンの上に来るとポップアップのヒントが 出てきてそのボタンの機能を簡単な説明で表示します。ヘルプ メニューをクリックして詳細ヒントをクリックすると より詳しい説明表示が出るようになります。

デフォルト設定を使用している状態では、編集エリアにすぐに タイプしてテキストを入力することが出来ます。テキストを保存するには 保存ボタン をクリックします。 ファイルタイプの ドロップダウンメニューからファイルフォーマットを選択出来ます。 デフォルトの ファイルタイプは、OpenOffice.orgアプリケーションで 専用で作業しているファイルに適合するものです。しかし、Microsoft Officeユーザーに 配布する必要のあるファイルの為や、又は.docの拡張子のある Eメール添付として送られたファイルを編集している場合などでは、他の人達が Microsoft Wordでそれを開けるように、Microsoft Word ファイルタイプで保存します。

OpenOffice.org Writerはドキュメント編集の為の 役に立つ汎用のエディタである一方、イメージ、イラスト、チャート、テーブルなどを 追加してテキストを充実させたり、ドキュメントにもっとインパクトを与えたりすることも 出来ます。イメージを追加するには、挿入 => グラフィックス => ファイルからとクリックして、ポップアップファイルブラウザから イメージを選択します。イメージがカーソルの部分に表示されてますが必要に応じて サイズは変更できます。図8-2はドキュメントに 追加されたイメージを示しています。

図 8-2. ドキュメントにイメージを追加

ドキュメントが作成された後は、好みの形式で保存できます。 使用できるファイル形式に関しては表8-1を 確認して下さい。またドキュメントは、Webブラウザか、PDFビューア アプリケーション(xpdfAdobe Acrobat Reader)の付きのほとんどのコンピュータで読み込める HTML あるいは PDF形式にエキスポートすることも出来ます。

OpenOffice.org Calc

大企業からホームオフィスの至るまで、どんな産業のプロフェッショナルも 記録の保存、ビジネスチャートの作成、データの操作をするのに スプレッドシートを使用します。OpenOffice.org Calcは、ソフトウェアスプレッドシートアプリケーションで 整理された縦と横の欄を持つセルにデータを 入力して操作することが出来ます。セルのグループに対して計算(例えば、 セルのコラム方向に加算、引算)したり、或はセルグループを元にして チャートの作成も出来ます。さらにスプレッドシートをドキュメントに 統合させてプロフェッショナルな感覚を作りだすことも出来ます。

デスクトップパネルからOpenOffice.org Calcを スタートするには、メインメニュー =>オフィス => OpenOffice.org Calcと進みます。シェルプロンプトから OpenOffice.org Calcスタートするには oocalcとタイプします。

図8-3は 作業中の OpenOffice.org Calcを示します。

図 8-3. OpenOffice.org Calc

OpenOffice.org Calc を使用して、パーソナル及び ビジネスデータを作成して操作することが出来ます。例えば、データの説明 (例:家賃買物その他の用途など)をA列に入力して、それらの データの数量記述をB列に入力して個人用予算表を作成できます。 OpenOffice.org Calcでのデータ入力はセルをダブル クリックしてそこに情報を入力するか、又は入力ライン (ツールバー内のテキストボックス)を使用します。それからB列上で計算 コマンドを実行して合計を出します。OpenOffice.org Calcには 数種の設定済機能と計算能力があります(例:=合計()は足し算と かけ算の結果を表示し、=商()は、割算の結果を示し、 =小計()はレシートの準備に使用)。OpenOffice.org Calc で数値データ計算用の機能を作成することに関する詳細情報はヘルプ => 内容と選択して御覧下さい。

クラス又はビジネス用の表やグラフを作成する必要がある場合は、OpenOffice.orgから 数種の表とグラフのテンプレートが選べます。グラフを作成したい場所を強調表示して、挿入=> グラフ...とクリックしていきます。グラフウィンドウで、選択した データの範囲がテキストボックスに示されますので、必要であればさらにカスタマイズできます。次へを クリックして自分のデータを使用して作成できる多種のグラフや表を表示します。好みのスタイルを選択して 完了をクリックします。グラフがスプレッドシートの中に枠付きで表示されます。印刷用に グラフはどこにでも移動でき、また保存して造形としてOpenOffice.org Writer ドキュメントの中や OpenOffice.org Impressプレゼンテーションの中に埋め込むことも出来ます。

図 8-4. OpenOffice.org Calcでグラフの作成

OpenOffice.org Impress

ビジュアルサポートは 視聴者の注意を引いて興味を持たせるインパクトを 与えてくれます。OpenOffice.org Impressは ユーザーがもっと説得力のあるプレゼンテーションを作成できるようにお手伝いする グラフィカルツールです。

デスクトップパネルからOpenOffice.org Impressを 開始するには、 Main Menu =>Office => OpenOffice.org Impressと選択していきます。 シェルプロンプトから OpenOffice.org Impressを スタートするには ooimpressとタイプします。

OpenOffice.org Impressは、スタイルテンプレートの コレクションからプレゼンテーションを作成できるAutoPilot(自動パイロット)機能を 含んでいます。項目別の一覧、概要、又はイメージを使用してスライドを作成できます。 さらには、OpenOffice.org Calcから表やグラフを スライドにインポートすることも出来ます。

図8-5は作業中の OpenOffice.org Impressを表示しています。

図 8-5. OpenOffice.org Impress

初めて OpenOffice.org Impressを起動する時は、 セットアップ画面が出てきて作成したいプレゼンテーションのタイプなどの基本情報を要求されます。 スライドのスタイル、スライドを提供するメディアのタイプ(プレーンペーパー、オーバーヘッドプロジェクター用の 透明シート、スライド、又はディスプレイモニタ)、またコンピュータからのプレゼンテーションの間に スライドに応用したい視覚効果などを選択することが出来ます。

図 8-6. OpenOffice.org Impress AutoPilotの ウィザード

AutoPilotツールでユーザーの好みの設定を選択した後に、作成したい スライドのタイプを選択することが出来ます。一覧から既成のスライドを 選ぶか、空白からスタートして自分でレイアウトをカスタマイズするか 決めてください。プレゼンテーション用に新規のスライドを作成するには 浮動ツールバー内のスライドの挿入...をクリックし ポップアップウィンドウが出てきたら新しいスライドのレイアウトを選択します。 プレゼンテーションの中には必要なだけ何枚でもスライドを持つことができます。

スライドショウを選択してドロップメニューからスライドショウを 選択することにより、どの時点でもプレゼンテーションを確認することが出来ます。プレゼンテーションは全画面で出ますが、 最後に来るまで各スライドを巡回するか、或はスライドショウに中で[Esc]キーを押せばいつでも全画面表示を 止めることが出来ます。

プレゼンテーションは数種のファイル形式で保存できます。OpenOffice.org Impressの ネイティブ形式(例:mypresentation.sxi)、Microsoft PowerPoint形式(mypresentation.ppt)、 StarImpress 形式 (mypresentation.sdd)などで保存できます。また、ファイルメニューから 印刷をクリックして プレゼンテーションをプレーンペーパー又は透明シートに印刷することも出来ます。

OpenOffice.org Impressに付いてもっと知識を得るには、 ヘルプをクリックして その中の内容を開いてヘルプの閲覧を 表示して御覧下さい。

OpenOffice.org Draw

ドキュメントとプレゼンテーションの中にグラフィクスを含めたい場合、 OpenOffice.org Drawを使用して達成します。 マウスをペンやペイントブラシのように使用すれば、イラストを描くことが可能で 印刷用ドキュメントに追加、webサイトに掲載、あるいはEメールに添付などができる 様に幾つかの形式で保存することが出来ます。

デスクトップパネルから OpenOffice.org Drawスタート するには、メインメニュー => オフィス => OpenOffice.org Drawと進みます。シェルプロンプトから OpenOffice.org Drawをスタートする場合は、oodrawとタイプします。

図8-7は作業中の OpenOffice.org Drawを示します。

図 8-7. OpenOffice.org Draw

The GIMP(詳細は第10章 を参照) などのイラストやグラフィックスのアプリケーションを使い慣れている場合は、 OpenOffice.org Drawが同じような基本機能を持つことが お判りになるでしょう。直線や曲線、四角形や円形、円錐や立方形の3D物体、その他を 作成するためのツールバーが用意されています。まずイメージを作成して、その後 メインツールバーの塗りつぶしスタイルを使用して、目的の 色を埋めて行きます。またイラストの中にテキストを挿入することも出来ます。 OpenOffice.org Drawでは、さらにそこに準備されている ツールを使用してイメージを開き、インポートして編集することが出来ます。

イラスト又はイメージの変更が終了すると、数種類あるネイティブのファイル形式の 1つを使用して保存するか、あるいはその作品を.jpg.pngの ような汎用の形式でエキスポートすることが出来ます。互換性のあるイメージファイルの形式の完全な 一覧については、表8-1を参照して下さい。