第 6章Xサーバーとクライアント

Red Hat Linuxの核心はカーネルですが、ワークステーションユーザーにとってはX環境がオペレーティングシステムの外観です。カーネルは行われる動作すべてにエンジンを提供し、実際には見えないプロセスとリソースを管理しています。しかし、Linuxユーザーは日々のそのほとんどの時間をグラフィカルデスクトップ環境で費やし、アプリケーションを開いたり、ウィンドウのサイズ変更をしたり、テキストをスクロールしたりしています。

本章では、XFree86の裏の世界を紹介するとともに、ユーザーのマシンに高度なデスクトップ機能を提供するXの動作方法について説明します。

Xの能力

LinuxはCPUを高度に利用し、ネットワーク接続を介して何百か、何千ものクライアントからの要求を処理する複雑なプログラムを効率良く処理するのに適したサーバーベースの強力なオペレーティングシステムとして登場しました。しかし、その公開性と安定性により、Linuxは家庭、あるいは企業でワークステーションの一般的なGUIベースのオペレーティングシステムに急速に発展しました。

UNIXの世界では、主要な多数のオペレーティングシステムに先んじて、ここ数十年間ウィンドウ環境が存在していました。UNIXマシンはクライアント-サーバー関係を活用するX Window Systemを使用して、ユーザーにグラフィカル(GUI)環境を作り出します。Xクライアントプロセスはネットワーク経由か、ローカル接続でXサーバープロセスを起動します。サーバープロセスは、ビデオカード、モニター、キーボード、マウスなどのハードウェアとの通信を処理します。Xクライアントはユーザー空間に存在し、Xサーバーが制御するハードウェアを使用してXサーバーに対して実行する内容に関する要求を出します。

Red Hat Linuxシステムでは、XFree86サーバーがXサーバーの役割を担います。世界中で何百人もの開発者がいる広い範囲で動作するオープンソースソフトウェアプロジェクトであるXFree86には、開発がすばやく行える、各種ハードウェアデバイスとアーキテクチャを幅広くサポートできる、異なるオペレーティングシステムとプラットホームで実行できるといった特徴があります。

ほとんどのRed Hat Linuxデスクトップユーザーは、自分のシステムで実行しているXFree86サーバーに気づいていません。ユーザーの関心は主に、時間の大部分を費やす特別なデスクトップ環境に向いています。Red Hat Linuxインストールプログラムは、インストールプロセス中にユーザーのXFree86サーバーを設定する作業を速やかにこなし、Xを初めて起動したときにXが最適に実行できるようにします。

Xサーバーは特定ファイルについて極めて詳細な設定を必要とする各種ハードウェアを使用して多数の難しい作業を実行します。モニターやビデオカードなど、システムの一部が変更されると、XFree86を再設定する必要があります。また、Xconfiguratorなどの設定ユーティリティを使用して解決できないXFree86の問題点をトラブルシューティングしている場合には、これらの設定ファイルへのアクセスが必要なことがあります。

注意重要
 

Xサーバーが有効なときには、XconfiguratorをXFree86の設定に使用しないでください。システムが直接X(ランレベル5)で起動するようにデフォルト設定されている場合には、Xconfiguratorを実行する前にランレベル3に切り替えてください。システムがテキストモード(ランレベル1〜4)で起動するようにデフォルト設定されている場合には、XconfiguratorでXの設定中にXが実行されていないことを確認してください。そうしないと、ハードウェアがロックしてデータが破壊されることがあります。