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第25号(2008年10月)

記事:オープンソースとRed Hat
〜Red Hat Network Satelliteがオープンソースに!Spacewalk!!〜


Spacewalk


Spacewalk??

SpacewalkはRed Hatの統合管理ソリューションである、Red Hat Network Satellite(第3回Red Hat Network-Part1-第4回Red Hat Network-Part2-にて紹介しています)のアップストリームプロジェクトです。Red Hat Network SatelliteはSpacewalkを通じて、オープンソース(GPLv2)になりました。
ウェブサイトは http://www.redhat.com/spacewalk です。Fedoraアカウントを作成すれば誰もが開発に参加することができる、開かれたコミュニティプロジェクトです。Fedoraアカウントの作成にはメールアドレス以外、何も必要ありません。
ぜひ、spacewalk-list@redhat.com http://www.redhat.com/mailman/listinfo/spacewalk-list、spacewalk-devel@redhat.com http://www.redhat.com/mailman/listinfo/spacewalk-devel に登録し、Spacewalkに触れて下さい。

アップストリームとディストリビューション

アップストリーム、という言葉はあまり聞き覚えがないかもしれません。あえて日本語にすると、源流、でしょうか。多くの場合、オープンソースソフトウェアには、そのソフトウェア開発プロジェクトを運営するコミュニティが存在し、プロジェクトのコードを管理しています。コミュニティは独自にソフトウェア開発を行うだけでなくユーザからフィードバックされたバグに対するパッチの取り込みを行っています。また、多くのオープンソースプロジェクトは機能拡張とバグフィックスを同時に行っていくため、バージョンアップが頻繁に発生します。ソフトウェアの頻繁なバージョンアップにより、特に機能を拡張した際にAPI/ABIの非互換が発生することがあるため、バグフィックスのみ適用したい、企業での利用には適さないことがあります。

Red Hatのようなディストリビュータはコミュニティが開発しているコードのある1つのバージョンのfork(派生)を対象に、QAと必要な修正を実施した後に、パッケージとして自らのディストリビューションに組込みます。現在、Red Hatではその固定したバージョンのソフトウェアに対して7年間のサポートを提供しており、バグフィックスや重大な機能追加の際には互換性に注意して移植します。つまり、1つのソフトウェアに対して、コミュニティが管理するコードと、Red Hatが管理するコードの2つが存在することになります。このようなコードのfork(派生)はオープンソースソフトウェアでは良くあることです。アップストリームとは、コミュニティが管理しているコード、もしくは、コミュニティ自体を表現する言葉です。

 幾つかの例を挙げると、、
  linux kernelで言えば、リーナスの管理するコードツリー
  JBossで言えば、JBoss.orgで管理されるコードツリー
  apacheで言えば、apache.org(Apache Software Foundation)で管理されるコードツリーです。

Red Hatとオープンソース

冒頭にも述べましたが、SpacewalkはRed Hatの持つ統合管理ソリューションであるRed Hat Network Satelliteのアップストリームプロジェクトです。そもそもRed Hatの製品であるにも関わらず、なぜ、オープンソースではなかったのでしょうか。
Red Hatの統合管理ソリューションはRed Hat Networkとして2001年にサービスが開始されました。やがて、クローズドな環境においてもRed Hat Networkを利用したいという要望に答え、Red Hat Network Satelliteがリリースされます。
Red Hatはオープンソースモデルを支持しています。これまでも多くの製品をオープンソースにしてきました。しかし、Red Hat Network Satelliteはオープンソースライセンスを適用出来ない多くのコードを含んでおり、長い間オープンソースではありませんでした。オープンソースにするには大変な時間が掛かりましたが、ついに、2008年6月にSpacewalkがリリースされたのです。
オープンソースを支持するRed Hatですが、Spacewalkがリリースされて何が起こったのでしょうか?

Spacewalkはオープンソースになってから、とても良いスタートを切ることが出来ました。6月17日の07時にオープンソースになり、Red Hat Summitにて紹介され、同日20時には『Red Hatの社員でない方』から、インストール報告があったのです。メーリングリストも非常に活発で、patchの提案がメーリングリストのオープンからRed Hat社内からは3日、社外からは8日で投稿されています。9月時点のデータによれば、spacewalk-list@redhat.comに250名以上、spacewalk-devel@redhat.comに120名以上の登録があり、月に100〜400件ものメールがやり取りされています。現在はSpacewalk0.2がリリースされており、幾つかの機能拡張やperl2java、500個のエラー修正、38個のバグ修正がされました。また、10月末には0.3がリリース予定です。Spacewalk0.3では、Fedora9上での動作(0.2からスリップ)やSElinux対応、コマンドラインによるSpacewalk Proxyインストール対応等が予定されています。

現在は0.7までのざっくりとしたロードマップを見ることができますが、内容はとても刺激的です。特に目を引くのは、Cobbler/Koan Integration、PostgreSQL Supportかもしれません。特にPostgreSQL Supportは、メジャーなデータベースと接続しようという試みの第一歩で、オープンソースになったその日に提案されています。この件について様々な面から、それは例えばHibernateの利用や、現在のSpacewalkがPerl/Python/Javaと3つの言語!を利用して実装されていることと合わせて検討されています。
これらはオープンソースが起こすイノベーションの意味で、とても素晴らしいニュースです。

Spacewalkがリリースされたことについて、日本にも1つの小さなエピソードがあります。 Alex Pinchev(Executive Vice President and President Global Sales/Services/Field Marketing)が来日した際の社内会議でのやり取りです。

 エンジニア「Satelliteをオープンソースにしてくれてありがとう」
 Alex「それで、既にコードを見て何か試したか?」
 ...

これからも、Red Hatはオープンソースを通じてイノベーションを起こしていく企業で在り続けるでしょう。

Red Hat Network SatelliteとSpacewalkは何が違うのか
最後に、SatelliteとSpacewalkの違いについて表にまとめておきます。

SatelliteとSpacewalk
名称 Satellite Spacewalk
ベネフィット 安定性、サポート 最新のテクノロジー
機能の選択/追加 Red Hat Red Hat及び開発コミュニティ
開発モデル オープンソース オープンソース
アーキテクチャ i386, x86_64, s390, & s390x i386, x86_64
管理システム Red Hat Enterprise Linux Fedora, CentOS
Red Hatサポートオプション 24x7、無制限インシデント なし (コミュニティサポート)
エラータ Red Hat Network マニュアルインポート
リリースサイクル 6-9ヶ月 1-3ヶ月
テスト Red Hat コミュニティ
メンテナンス/update Red Hat Network コミュニティ
販売 Red Hat及びパートナ フリーダウンロード
価格 サブスクリプション フリーダウンロード



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