
第18号(2008年3月)
記事:JBoss Enterprise SOA Platform のリリース
〜 小さくはじめるSOAの現実解 〜
・JBoss Enterprise SOA Platform 4.2
2月28日、レッドハット株式会社は、JBoss Enterprise SOA Platform のリリースを発表しました。これにより、レッドハットは、本格的にSOAに関するソリューションビジネスを展開していくことができる基盤製品群を取り揃えることができました。JBoss Enterprise SOA Platform は、小さくはじめるSOAの現実解として位置付け、現在、企業が進めている企業システムや部門システムのSOA化を促進するための基盤、もしくは、ツール、機能を提供します。JBoss Enterprise SOA Platform が構成する重要な機能は、以下のとおりになります。
- エンタープライズ・サービスバス
- ビジネスプロセスマネジメントとワークフローオートメーション
- ビジネスルール・エンジン
JBoss Enterprise SOA Platform は、上記の3つのコンポーネントが完全に統合されたSOA基盤を構築するためのスウィート製品として提供されています。この3つの機能のうち2つ、つまり、ビジネスプロセスマネジメントとワークフローオートメーションとビジネスルール・エンジンは、以前のレッドハットニュースレター(
http://www.jp.redhat.com/magazine/jp/200712/) と (
http://www.jp.redhat.com/magazine/jp/200802/jb.html) で概要を紹介しています。是非、ご覧ください。今回は、3つ目の機能であるエンタープライズ・サービスバス について簡単に概要を説明します。
・エンタープライズ・サービスバス
今回は、3つ目の機能であるエンタープライズ・サービスバスについて簡単に概要を説明します。エンタープライズ・サービスバスとは、その名のとおり企業におけるシステム間連携をバス型の考え方に基づいて連携するためのミドルウェア機能を提供します。従来のEAIと考え方は似てはいますが、よりオープンな連携と接続方式という観点でエンタープライズ・サービスバスは異なります。一般的にエンタープライズ・サービスバスが扱えるプロトコルは、JMSやHTTP、File、DBMSなど汎用的でオープンです。また、従来のEAI製品とは異なり、複数の接続対象、フォーマット変換、コンテンツベースド・ルーティングなど柔軟性が向上したアーキテクチャになっています。下図は、連携対象がFileSystem を想定したJBoss ESBでの連携イメージになります。
・JBoss ESB
JBoss ESB は、エンラープライズ・サービスバスの機能を提供します。上図のとおり、JBoss ESBは、さまざまなシステムインターフェースに対して連携する仕組みを提供しています。JBoss ESBに渡されたデータは、Transformation Engine によりデータ変換され、ルーティング機能によって対象のインターフェースにデータを出力することができます。また、入力されたデータの内容に応じて、呼び出すべき変換方式、ルーティング先の判別など切り替えることもできます。これらの機能を利用するためには、基本的にコンフィグレーションのための定義を XMLファイルとして編集し、拡張子を .esb のアーカイブファイルをJBoss ESB のリポジトリにデプロイするだけ実現することができます。JBoss ESB で予め提供されているTransformation Engineやルーティング機能 は、以下のようなものがあります。
- XML, CSV, binary, X12, POJO から各タイプへの変換
- XSLT, Java, StringTemplate, Groovy Scripting の呼出
- Gatewayリスナー
- Web Service 連携
- SOAP2.0, WSDL1.1, JAXB2.0, BPEL2.0
- JBoss Rules によるコンテンツベースド・ルーティング
- JBoss jBPM によるオーケストレーション
- メッセージ配信
- JMS (JBoss Messaging, ActiveMQ, MQSeries, Oracle AQ, TIBCO EMS)
- FTP, HTTP, email, database, shared file system
これらの変換やルーティングの機能を利用するときには、基本的にXMLコンフィグレーションをカスタマイズすることで対応できます。また、カスタムアクションと呼ばれる拡張機能を利用できるため、ユーザ独自の変換やルーティングロジックを埋め込むことも非常に容易です。
・その他の特徴
JBoss ESBは、信頼性の高い、高度なメッセージ配信基盤のうえに構築されています。そのため、クラスタ化による冗長性はもちろん、メッセージのストア機能、分散されたJBoss ESB間での連合統合型のメッセージ伝搬も可能です。さらに、UDDIレジストリ機能を保持しているため、連携先システムなどは、サービス名として登録・管理することが可能です。また、システム管理面においては、分散統合可能なモニタ機能により各JBoss ESB基盤におけるメッセージ伝搬の状況などを監視することが可能です。これらの監視は、JMXベースであるため、一般の監視ツールからも管理・監視することが可能です。
・JBoss jBPM, JBoss Rules, JBoss ESBが統合された
JBoss Enterprise SOA Platform
JBoss Enterprise SOA Platform は、JBoss jBPM, JBoss Rules, JBoss ESBが完全に統合されたSOA基盤のためのスウィート製品です。これらの統合は、実際の企業のSOA基盤を構築していくうえで、柔軟性を確保していくために必須の要素です。JBoss ESBが提供するメッセージ伝搬と目セージ変換、プロトコル変換だけでは、柔軟性確保という観点では不十分です。SOA基盤として必要なシステムオーケストレーションに柔軟性を確保するためには、ビジネスプロセス管理機能が必要です。
場合によっては、人間系の承認機能と連携する必要があります。さらに、入力されたデータの状態に応じて、選択すべきメッセージ変換やプロトコル変換、選択すべきシステムオーケストレーションのパターンが複数もしくは、沢山あった場合、それらを柔軟に選択できる、つまり、運用時にも設定ベースで選択できる実装手段が必要です。これには、JBoss Rules の機能を利用したコンテンツベースドルーティングの機能がその効果を発揮します。
このように、JBoss Enterprise SOA Platform が提供する3つの大きな機能は、必然的に統合されています。これにより、他社のSOA関連製品と比べても比類のない柔軟性を確保したSOA基盤を構築できます。
如何でしょうか? レッドハットでは、JBoss Enterprise SOA Platform をみなさんのプロジェクトに気軽に採用していただけるサブスクリプションベースのサポートプログラムを容易しています。小さくはじめるSOAをいっしょに実現しませんか? 是非、レッドハットに問い合わせてみてください。
レッドハット株式会社/ニュースレター編集部