Red Hat Speaks
Seth Nickell :
Red Hat社インタラクションデザイン デザイナー
インタラクションデザインとユーザインターフェース(UI)デザインは大きく異なります。UIデザイン(またはインターフェースデザイン)は通常、白紙からの作業です。ある実装から始めて、次に「これはどうか」とか「このボタンはどこに置くべきか」といったことを解決します。インタラクションデザインは人々とその目標から始まり、彼らの活動を改善するためにどんなソフトウェアが必要かを突き止めます。そこではインターフェースの機能も1つの側面ではありますが、観点は大きく異なります。
今回は、Red Hat社のUIデザイナ、Seth Nickell(マサチューセッツ州ウェストフォードオフィス)にインタビューし、UIデザインとRed Hatについての考えを聞きました。次号では、使いやすいグラフィカルインターフェースの作成に関する彼の記事を予定していますので、ご期待ください。
-
なぜUIデザインを専門として選んだのですか?
-
車にいれこんだり道楽にふけること以外に、ということですよね(笑)? Eazel, Inc.の非常に優れたスタッフと一緒に働いて、どうやら私のしたいことは、「人の生活を良くするものを作ること」だと分かったのです。市場にはできの悪い、まと外れの製品が数多く出回っています。優れた技術者が作っているにもかかわらずです。もっと人々のために設計された製品が必要ですが、それには技術者を増やす必要はないように思えました。だから技術の仕事を辞めて、デザインを勉強することにしたのです。
-
特にLinuxのUIデザインを選んだのですか?
-
デザインに関心を持ったときには、すでにGNOMEプロジェクトに関与していました。そのころのGNOMEはひどいものでしたから、学んだり失敗したりするには絶好の機会だったのです。あれより悪くなることはあまり考えられませんからね。
-
ベストのUIデザインを持つLinuxアプリケーションはどれだと思われますか?それから、最悪のものは?
-
Epiphanyは、対象ユーザ向けのしっかりしたアプリケーションです。わくわくするようなものではありませんが、そうした要素は必ずしも必要ではありません。デザインでは、「誰のため」という問いが常に重要になります。ある人々にとってベストでも、ほかの人々には最悪になることもあります。最悪のものといえば...まあ最悪とまでは言えませんが、今手におえないと思っているものは新しいGNOMEのボリュームコントロールです。たいていの人にとって音量を上げたり下げたりできることがいわゆるコントロールの「要素」です。「PCM」や「In-gain」にも、また「Analog Devices AD1981B, Silicon [Audio Mixer (OSS)]」と呼ばれるタブにも関心はなく、知識もありません。
-
なぜRed Hatで働いているのですか?
-
私の知るかぎり、ユーザ中心のデザインに真剣な関心を持っているオープンソース企業はRed Hatだけです。
-
LinuxのUIデザインについてどのような短期目標と長期目標を持っていますか?
-
我々はデスクトップを磨いて角を取るところまでは来ましたが、まだ椅子を作っているのか、テーブルを作っているのか分かっていません。釘で打ち付けた板の寄せ集めをいくら丁寧に仕上げても、それ以上のものが出来ることはありません。ほとんどの人はコンピュータそのものではなく、それをうまく使いこなすことに関心を持っています。我々は角を取ったり磨いたりすることをやめて、人々の活動を助けることに関心を向ける必要があるのです。
-
余暇には何をされていますか?
-
議論して、合唱団で歌って、サイクリングに出かけて、料理をして、スケートをして、シャワーを浴びながら歌って、それからまた議論、というところですね。
-
ほかに読者に伝えたいことは?
-
・・・というわけで、これから一杯やりに行きます。