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翻訳記事:

  • RED HAT Magazineは、米国発の記事を翻訳したものです。

RED HAT SPEAKS

Fedora:原動力はコミュニティ

ほんの15年ほど前でさえ、世界中の雑多な人々の寄せ集めがコンピュータソフトウェアの革新をドライブする推進力になると予見出来た人はいなかったのではないでしょうか?企業や一部の大学の壁の中以外で、何らかの意味のある開発が行われるとは誰も想像できなかったはずです。そこにLinuxが登場し、すべてが変わりました。ではオープンソース開発モデルが成功した要因を何に求めれば良いでしょう? 答えは一言、コミュニティです。

幸運にもLinuxWorldの翌日にボストン大学で開かれたFUDConに参加した人は、素晴らしい経験をしました。史上初めて、ついにFedoraコミュニティが結成されたのです。アメリカで最も古い都市の1つで、我々はプロジェクトの将来へとつながる道を敷いたことになります。Fedoraの新しいロードマップと、新しいガイドラインおよびポリシーとが、これまで不可能だった方向にもFedoraを成長させることになります。

私はコミュニティの力を信じています。特に、オープンソースコミュニティの力を信じています。我々はこれまでにいくつも素晴らしいことを成し遂げ、これからさらに多くの素晴らしいことを成し遂げる可能性を持っています。しかし、コミュニティのメリットを享受するためには、自ら参加することが必要です。ノルウェーの偉大な劇作家ヘンリック・イプセンはかつてこう言いました。「コミュニティは、1隻の船のようなものだ。一人一人が舵を取る心構えでいるべきだ。」私にとって、Red Hatの外部にいるコミュニティのメンバーが船を操ったということが、FUDConの最も充実した部分でした。コミュニティのメンバーが案を出し、すべてをまとめ、準備を整え、上演したのです。もちろん、Red Hatは様々な形でサポートを提供しましたが、FUDConの核心を担ったのは、草の根の力でした。そしてそれが滞りなく成功を収めたのです。

FUDCon 2005

FUDConでは、超一流の講演者たちが様々なテーマのセッションを開きました。Havoc PenningtonはFedoraを使ったステートレスなLinuxデスクトップの作成について、進捗状況を説明しました。Christopher Blizzardは、ディストリビューションへの統合化が進められている新しいディレクトリおよび認証サービスについての、素晴らしいセッションを行いました。Paul NasratとSeth Vidalは、Fedora内のパッケージ管理に関する現在の問題と将来について討論を行い、さらに近くこのディストリビューションで利用可能になる新しいGUI形式パッケージマネージャPUPの開発も発表しました。Owen TaylorとRed Hatデスクトップチームが開いた、Linuxデスクトップをよりフレンドリーな(おまけに見た目も美しい)ユーザエクスペリエンスにするために開発されている新しいグラフィカルテクノロジの概要についてのセッションは、最も多くの参加者を集めました。また、次のFedora Core 4で導入される、Xenをベースとした新しい視覚化テクノロジに関するセッションもいくつかありました。

どれも素晴らしい発表でしたが、私にとってすべての頂点に立つ最高のものを1つあげるなら、Tom "Spot" Callaway、Colin Charles、Prarit Bhargavaの3人のチームが、Sparc、PPC、および IA64を含む様々なアーキテクチャにFedoraを拡張するために現在コミュニティのメンバーが進めている作業について行った素晴らしい発表です。私の意見では、この発表ほどFUDConの精神を具現化したものは他にありませんでした。コミュニティのメンバーが行っている作業と、増え続ける一方の彼らによる寄稿リストには、ただただ驚かされるばかりです。Fedoraをx86-64アーキテクチャに移植する作業は、元々Justin Forbesというたった1人がリードした作業であったことを覚えている読者もいるかと思います。もうじき、Fedora Coreの新バージョンがリリースされるたびに、直ちにPPCへの完全な移植版も利用できるようになるでしょう。そうした作業に喜んで専念してくれるコミュニティのメンバーがいるという事実は、信じられないほど素晴らしいことです。

コミュニティの参加

しかし、やらなければならないことはまだ数え切れないほど残っており、誰もが舵を取る心づもりをすべきです。あまり技術に明るくない人間にも、果たせる役割があります。新たに開設されたFedora Extrasプロジェクトにパッケージを寄稿したりパッチを提出したりはできなくても、別の方法で役に立てるはずです。ドキュメントを書くとか、マーケティングを手伝うとか、あるいは単にソフトウェアを使ってバグレポートを記入するだけでもいいのです。

Red HatがFedoraプロジェクトを立ち上げたとき、最初は多少の混乱がありました。不安になった人、狼狽した人、中にはRed Hatがコミュニティを見捨てたと思った人もいました。今ではこのプロジェクトの目的が、ユーザ主導による革新という概念をさらに推進することにあるのは明らかです。結局のところ、それこそがオープンソースソフトウェアの世界をユニークなものにしています。「誰か」ではなくユーザ自身が、ゲームのプレイ方法を決める力を持っているということです。

Fedoraプロジェクトにおけるコミュニティの尽力の本質について考えるとき、私は第2代大統領ジョン・アダムズの有名な言葉を思い出します。アメリカ独立革命の成功について友人に説明した中で、アダムズは次のように書いています。「革命は人々の心と頭の中にあった」。今日、オープンソースの革命はコミュニティの人々の心と頭に十分広がっています。Red Hatはこのことに気づき、コミュニティが正しいと思う方向に船の舵を取れるように、Fedoraプロジェクトを立ち上げたのです。もう錨は上げられました。今こそコミュニティが操舵室に入り、出航するときです。

著者について

Jack Aboutboulは10年来のLinuxユーザかつ熱狂的ファンであり、数多くのオープンソースプロジェクトに関わってきました。現在はFedoraプロジェクトのコミュニティ参加者として、主としてQA/テストを中心に、Fedoraのマーケティング分野にも陣頭に立って協力しています。米国北東部でのLUGミーティングでしばしば講演や発表をしており、Linux関連の様々なテーマについてチュートリアルも執筆しています。旅行が好きで、言うまでもなく、オープンソースを愛しています。