Red Hat Networkとは
執筆者: Scott Gilbertson
原文(英語)
Red Hat Networkは、包括的なライフサイクル管理を提供するために設計されたシステム管理プラットフォームです。Red Hat Networkは、お客様のネットワーク上にあるシステムを効率的に管理できるシンプルなツールを提供します。その機能には、新しいシステムのプロビジョニング、アップデートと設定変更の管理、システムパフォーマンスの監視、および新しい目的に合わせたシステムの再展開などがあります。
図1. Red Hat NetworkのWebインタフェース
Red Hat Networkの使用目的
Red Hat Networkは、Linuxシステムの全体的なTCOを引き下げるツールです。Red Hat Networkを使用すると、次のようにLinuxの展開性、スケーラビリティ、管理性、および一貫性を実現しながら、生産性を向上させ、コストを削減できます。
- 展開のしやすさ
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作成したプロファイルに基づいて、新しいシステムをリモートからプロビジョニングします。ほんの数分間で、数百もの完全構成のRed Hat Enterprise Linuxシステムを展開できます。
- スケーラビリティ
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Red Hat Networkでは、2~20,000システムを管理できます。グループを単一のシステムと同様の容易さで管理できます。
- 管理性
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Red Hat Networkでは、わかりやすいWebベースのインタフェースを使用して管理を実行します。日常的な管理作業は上級レベルのLinux管理者でなくても行うことができるため、上級管理者のリソースをより高度なプロジェクトにあてることができます。
- 一貫性
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Red Hat Networkを使用すると、システムを一貫した方法で容易に管理でき、グループ内の全システムに同じパッチ、設定、モニタリングプローブ、またはアプリケーションが適用されていることを確認できます。その反復可能なプロセスによって、可測性、統一性、およびコンプライアンスを実現できます。さらに、Red Hat Networkは、Red Hat Enterprise Linux環境とSolaris環境の両方を管理するための単一のツールとして使用できます。
Red Hat Networkのコンポーネント
Red Hat Enterprise Linuxユーザとして、お客様はサブスクリプションの一部としてRed Hat Networkへのアクセス権を受け取ります。アップデートモジュールへのアクセスによって、お客様はシステムのアップデートをダウンロードできます。Red Hat Networkでは、追加的なサービスを一連のモジュールとして利用できます。これにより、自社環境を容易に展開、管理する能力が大幅に向上します。モジュールアーキテクチャを利用することによって、お客様はニーズに最もよく合致する部品を選択できます。Red Hat Networkの現在のモジュールは、次のとおりです。
- アップデート
- マネージメント
- プロビジョニング
- モニタリング
また、Red Hat Networkでは、ソリューションの展開方法について複数のオプションが用意されています。Red Hatは、小規模な展開をすばやく稼働させるHostedサービス、およびエンタープライズ展開用に構築されるSatelliteサーバを提供しています。
モジュール
上記のRed Hat Networkのモジュールについて、より詳細に検討します。
- Note:
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各RHNモジュールの簡単な比較については、redhat.comを参照してください。
アップデートモジュール
アップデートモジュールは、Red Hat Enterprise Linuxのすべてのサブスクリプションに付属しています。アップデートによって、セキュリティ、バグ修正、およびソフトウェア機能拡張の各アップデートをRed Hatから容易に直接入手できます。セキュリティ勧告の一例を
(図2. セキュリティ勧告の例)に示します。
図2. セキュリティ勧告の例
- コンテンツアクセス
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Red Hat Networkを使用して、Red Hat Enterprise Linuxの新しいアップデートとセキュリティ修正、および新しいバージョンのRed Hat Enterprise Linuxをダウンロードします。このコンテンツは最大限のセキュリティを確保するため、Red Hatによりデジタル署名され、SSLを介して提供されます。
- パッケージ管理
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Red Hat Networkのインタフェースを介してシステムのパッケージを追加および削除します。また、Red Hat Networkはすべての複雑な依存性チェックを処理し、お客様がアプリケーションのアップデートに必要な正しいバージョンのパッケージをすべて受け取っていることを確認します。
- 自動アップデート
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必要に応じて、アップデートが利用可能なった時点で自動的にアップデートされるようにシステムを設定できます。
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マネージメントモジュール
マネージメントモジュールは、大規模展開への対応を目的としています。これは、複数のシステムグループを同時に管理することによって、管理者が生産性を向上させることができる重要なツールです。
- システムのグループ化
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集合的に管理したいシステムのグループを作成します。この機能を利用すれば、パッチの適用などの管理作業を一貫して実行できるため、最後のWebサーバに最新のセキュリティ修正を適用したかどうかを心配する必要はありません。
- 管理者ロール
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Red Hat Networkのセキュリティモデルを利用すると、管理者に対して権限を最小限しか与えないということも可能になります。管理対象のシステムまたはシステムグループを選択し、管理者の実行するロールも選択します。
- スケジューリング
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アップデートのスケジューリングにより、ビジネスニーズとメンテナンス時間枠のポリシーに基づいて各システムに変更を追加できます。どのような変更を加えるかを決定したあと、それらを展開します。システムは、メンテナンス時間枠中にチェックを行うときに、それらのアップデートを選択し、展開します。
- 検索
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アドバンストサーチを使用すると、システムを比較したり、システム上の情報データベースに問い合わせを行ったりできます。たとえば、特定のパッケージプロファイルや特定のバージョンのパッケージ、あるいはシステム上の特定のハードウェアインタフェースについて問い合わせることができます。そのインタフェースを備えたシステムのリストが得られたら、それらのシステムに対する操作の実行を選択できます。
プロビジョニングモジュール
プロビジョニングモジュールは、システムのライフサイクル全体に対処することを可能にします。まず、キックスタートプロファイルを作成することにより、キックスタートを通じてシステムを展開します
(図3. キックスタートプロファイルの作成)。全システムにわたり設定ファイルプロファイルを管理し、スナップショットとロールバックを使用した変更により調整を行います。
図3. キックスタートプロファイルの作成
- ベアメタルプロビジョニング
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PXEブートによるキックスタートを使用して、環境に追加する新しいマシンをプロビジョニングできます。Red Hat Network内で、新しいキックスタートプロファイルを作成したり、既存のシステムに基づくキックスタートプロファイルを作成したりできます。これらのプロファイルは、インストールするパッケージとバージョンを正確に含むように設定でき、新しいシステムに対して展開される「ゴールドスタンダード」バージョンのオペレーティングシステムのプロファイルとして保存できます。
- 既存状態のプロビジョニング
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また、キックスタートプロファイルを使用して、Red Hat Networkで新しい用途向けにシステムを再展開できます。これは、ハードウェアリソースを最大化するために非常に役立つ場合があります。サーバを数分間で別の用途向けに再展開できます。
- 設定管理
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設定ファイルをRed Hat Networkに保存し、中央集中型で展開することができます。これとプロビジョニングアクションを組み合わせることで、完全構成システムを展開できます。また、環境全体にわたり設定の一貫性を保証するためのプロセスを稼働させることができます。
- リモートコマンド
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管理対象のシステムに対してリモートコマンドを発行できます。また、これをプロビジョニングアクションに追加し、プロビジョニングの前後に実行するコマンドを含めることができます。これを使用すると、インストールした任意のアプリケーションを起動できます。
- ロールバック
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プロビジョニングモジュールを使用すると、パッケージのバージョンや設定ファイルなど、システムのスナップショットを作成することもできます(図4. システムのスナップショット)。システムに対して望ましくない変更を加えた場合、既知の正常な状態にロールバックできます。
図4. システムのスナップショット
モニタリングモジュール
モニタリングモジュールは、パフォーマンス測定の機能を提供します。
- プローブ
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モニタリングプローブには、システムレベルのプローブ(利用可能な空きディスク容量のシステム負荷の測定など)、サービスレベルのプローブ(たとえば、HTTPポートへの接続を実際に作成)、およびアプリケーションレベルのプローブがあります。アプリケーションレベルのプローブは、Oracle®データベースやApacheといったアプリケーションで利用できます。
- プローブスイート
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モニタリング活動の規模を拡張するため、プローブスイートを使用して複数のプローブを1つのスイートにグループ化し、それらを多数のシステムに対して一度に展開できます。全システムにわたって共通のメトリクスを収集する場合、これは強力な時間節約手段となります。
- 通知
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各プローブには、設定可能な警告(warning)および重大(critical)しきい値があります。これらのしきい値に達したときに、電子メールやページャのアラートを担当管理者宛てに送信できます。
- レポート
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Red Hat Networkには、プローブのパフォーマンスの時間的変化を示すグラフを作成する機能が含まれています。さらに、収集されたデータを抽出し、他の分析ツールで利用することもできます。
アーキテクチャコンポーネント
RHNモジュールに加えて、モジュールの機能を強化する3つのアーキテクチャを利用できます。
- Hosted
- Satellite サーバ
- Proxy サーバ
- 注:
- 各RHNアーキテクチャの簡単な比較については、redhat.comを参照してください。
Hosted
Red Hat Networkを使用するためのデフォルトのアーキテクチャは、Hostedモデルです
(図5. Red Hat NetworkのHostedアーキテクチャ)。Hostedモデルでは、すべてのコンテンツとシステム情報がRed Hatのサーバ上に保持されます。すべての管理操作は、お客様の各システムをインターネット経由でこれらのRed Hat Networkサーバに接続することにより行われます。すべてのRed Hat Enterprise Linuxシステムにクライアントソフトウェアが付属し、Hosted型のRed Hat Networkに接続するように自動設定されるため、このアーキテクチャでは迅速な展開が可能です。
図5. Red Hat NetworkのHostedアーキテクチャ
Satellite サーバ
Satellite展開モデルでは、お客様はRed Hat Enterprise Linux展開の価値を実際に最大化できます。コンテンツとシステム情報は、すべてお客様のネットワーク内にあるRed Hat Network Satelliteサーバ上に保存されます(図6. Red Hat NetworkのSatelliteアーキテクチャ)。このSatelliteは、Red Hat Networkサーバと同期化され、新しいコンテンツを受け取ります。管理対象システムの情報はすべてSatellite上にローカルに保存され、インターネットを経由する必要はありません。
図6. Red Hat NetworkのSatelliteアーキテクチャ
Satelliteでは、お客様はシステムをビジネスニーズに最も正確に適応させることができます。また、Satelliteでは、APIを通じて重要な機能が提供されます。現在、一部のお客様は、APIレイヤーを使用してSatelliteに関する非常に複雑な機能とレポートを構築することにより、Satelliteをビジネスニーズに正確に適応させています。コンテンツに関しては、Red Hat Network Satelliteは、クローニング機能によりRed Hatからのコンテンツを制御し、お客様ごとにコンテンツを配信する機能を提供しています。これには、自社製アプリケーションだけでなく、Red Hat Enterprise Linuxとともに使用するサードパーティ製アプリケーションおよびライブラリが含まれます。
Proxy サーバ
Red Hat Network Proxyは、HostedまたはSatelliteのいずれの展開モデルでも使用できるアドオンコンポーネントです。Proxyは、コンテンツキャッシュデバイスとして機能します。Hosted環境では、これはインターネット帯域幅の使用量の削減に役立ち、同じパッケージをシステムごとにダウンロードする必要がなくなります。ProxyはSatellite環境でも使用できます。Satelliteを1つのデータセンターに配置し、Proxyサーバをリモートデータセンターに配置することにより、ダウンロードを高速化し、スケーラビリティを強化します。
まとめ
Red Hat Networkは、Red Hat Enterprise Linuxシステムのライフサイクル管理に必要なツールを、展開・管理しやすく、かつスケーラビリティ・一貫性のある形で提供します。Red Hat Networkの使用の詳細については、次のリソースを参照してください。
執筆者について
Scott Gilbertsonは、Red Hat Networkの製品マーケティングマネージャです。